16/02/18第46回くらしの研究発表会 くらしから提案!(豊中市)

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豊中で開催された、第46回くらしの研究発表会 くらしから提案!の中で、とよなか市民環境会議アジェンダ21 生活部会の滝口美保さんが発表された「学校での環境教育・環境学習プログラムについて」のスクールインタープリターに関わる部分を抜粋して掲載します。

20160218-2ss 2016/02/18 14:46

「学校での環境教育・環境学習プログラムについて」

3.子ども対象の環境学習プログラム事例調査

スクールインタープリターの活動について

環境省の「環境人材育成・認定等事業データベース」のなかに「スクールインタープリター養成入門講座」がある。事業内容は「学校での自然とのふれあい、自然体験を通じた環境学習を行う人材の育成」。

その登録団体である、「一般社団法人IPNET-インタープリテーションネットワーク・ジャパン」の皆さんの活動を紹介する。

・総括研究員本多 孝さんは「日本環境教育学会大会(2015年8月22日)」での発表の中で、気軽にできる自然体験型環境学習のプログラム作りの提案をされている。
<フィールドにマッチした自然体験型環境教育プログラム作り
学校の校庭にある身近な自然を対象にして>

発表された内容をかいつまんでまとめた。
詳しくは、ホームページhttp://ipnet-j.comをご覧いただきたい。

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1)自然体験を行うに際し学校側の問題点としては
・学年担任間の合意形成。
・遠方に出かけるのに時間割の変更。
・人員(付き添い)の確保。
・交通手段の段取りなど多忙の中で準備の時間確保。
などが難しいのではないか。
また自然のことがわからないから敬遠しがちなのではないかと考察されている。

それを解決するため
2)実施のための提案・・・プログラムにより時間管理を行い、学校にある自
  然を対象とする方法を提案
・1時間(45分)の範囲で行える。・・・通常の授業範囲で行える。
・遠くへ出かけなくても身近な校庭の自然を利用できる。
・準備や時間割変更、人員確保の心配がない。

3)プログラムについて
一般的なプログラム例としては、
①開会→②導入→③活動説明→④体験活動→⑤分かち合いの仕方の説明→
⑥分かち合い→⑦まとめ→⑧閉会

①⑧開会、閉会・・・簡単な自己紹介や「おわります、ありがとう」。
②導入・・・今日は何をするかを明確にする。タイトルの紹介など。
⑤分かち合いの説明・・・「班単位で、前に出てみんなに見せて一言感想を述べる。
聞いている人は拍手する」。
⑥分かち合い・・・見つけたものを班ごとにみんなに見せて感想を聞く。
⑦まとめ・・・この自然の体験から自然と友達になろう、大切にしよう、と自分
の伝えたいことを持っておく。

プログラムの基本がわかると考えなければならないのは、体験活動の内容だけ。

4)体験活動プログラムで啓発する目的は何か
まとめで啓発型の環境教育として考えられることとして
・自然を大切にしよう
・生き物と友達になろう
・同じ地球で生きている仲間だと知ろう
・命の大切さを知ろう
・自然に興味を持とう  etc.・・・・

5)まとめてみると
1.プログラムの基本を知る
2.何を重点に考えれば良いかを心得る。
3.伝えたいこと(啓発内容)をしっかり持つ

6)事例を紹介・・・「光合成と自然の大切さ探し」

・導入・・・タイトル「光合成と自然の大切さ探し」を告げ、光合成は太陽の光を受け、CO₂を吸収しO₂を出すこと、太陽の光、水、土、空気があれば自分で養分を作り出せること、他の動物は植物の養分をとらないと自分では作れないことを紙芝居などにして伝える。

・活動説明・・・ワークシートを使って光合成と植物の大切さを探す。その方法を伝える。活動範囲や注意事項を知らせる。

・活動・・・・・子ども達が身近にある校庭で探しワークシートを完成させる。ワークシートには植物が育つ様子や生き物が食べているところを探してもらう。

・分かち合いの方法を説明

・分かち合い・・・班ごとに出てきてワークシートを発表する。

・まとめ・・・植物は生きるために大切なものであり、特に人間にとっては、野菜はその典型であること、だから給食を残さないように行動提起やこの自然を大切にするために子ども達のとる態度を啓発する。

・閉会・・・・お礼を述べ合い、終了する。

・子ども達は感想を次の授業時間に書く。

*本多さんはこのように述べられている。
「この中で最も難しいことは、どのように体験、探させるかである。ワークシート  の作り方が最も知恵を絞るところである。しかし初歩的なものならタイトルを“季節を探そう”とし、その季節らしいものを探させれば比較的簡単である。これらのプログラムは、実際に学校で行われており小学1年から中学3年まで統一プログラムを1学区単位で年間3回行いプログラム集は50以上のプログラムを作成している。年間15校、1000人を超える子供たちに60回程度行っている。国産のオリジナルプログラムである。」
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IPNET-Jの皆さんは、今年12月に箕面市の中学校で紅葉の観察の授業もされたそうだ。(詳細はホームページ参照)
授業のほか、各地の学童保育でも活動されている。
この発表に注目した理由は、以下の3点である。
①通常の授業時間内で学校の自然を利用して気軽にできるプログラムであること。
②生活科や理科の授業と関連させて行うことができ、教科の授業に環境教育の視点を加えることができること。
③国産のオリジナルプログラムであること。

学校現場や市民活動で使いやすいプログラムを研究して紹介することができれば、環境教育・環境学習の支援になると思うので、これからも研究していきたい。

4.まとめ

義務教育の9年間を通して環境教育のカリキュラムができないか。
・小学校の校長先生から6年間を通してつながりのあるカリキュラムが考えられ
ないか、というご意見があった。環境教育・環境学習はさまざまな教科で取り
上げられている。バラバラに取り組むのではなく、繋がりを持たせることによ
って、より効果的な学習ができるのではないだろうか。探究学習としても取り
組める。
・教職員経験者、現場の先生方、教育委員会、ボランティアなど、さまざまな立
場の方が一緒に考える機会を設けることができれば、実際に使えるカリキュラ
ムができると思う。
・1977年に開催された「環境教育政府間会議(通称トビリシ会議)」で採択された
「トビリシ宣言」の「環境教育に含まれるべき基本原則」にも、「生涯継続する
過程と考える」「個別学科を超えたアプローチを採用する」と書かれている。

市民活動が支援できるメニューを、学校現場に届けていく工夫が必要。
(年間計画策定時に参考にできるように)
・豊中市が発行している出前講座一覧表に市民の活動も記載できないか検討して
ほしい。昨年度、調べたところでは、尼崎市は「環境学習プログラム冊子」を
発行して全小中学校に配布しており、その中には、市の主催プログラムのほか
に、企業や市民団体、大学のプログラムが記載されていた。
・市民団体として独自に環境教育・環境学習支援の一覧表を作り学校に配布する
ことも検討に値する。(管理職にひとこと添えて配布してもらえれば、さらに効
果が期待できる)

各学校で、どんな環境学習・環境教育が行われているか、学校間で交流する場があれば、意欲的な取り組みがもっと広まる。

何よりも、これから人類が地球で生きつづけていくために、環境保護の担い手を育てる環境教育・環境学習は欠かせない。そういう認識が行政、市民、事業者で共有できるよう、活動を続けていきたい。