15/08/22/日本環境教育学会大会in名古屋市大での発表

ipnetj   2015/08/23   15/08/22/日本環境教育学会大会in名古屋市大での発表 はコメントを受け付けていません。

2015年度日本環境教育学会in名古屋市立大学で、「フィールドにマッチした自然体験型環境教育プログラム作り」について、研究発表いたしました。

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研究発表要旨

フィールドにマッチした自然体験型環境教育プログラム作り

本多  孝(一般社団法人IPNET-Jイプネット・ジャパン教育研究所・総括研究員)

キーワード:スクールインタープリター、自然体験型環境教育、
小学校ゲストティーチャー、生活科・総合学習、身近な自然

フィールドによってどんなプログラムをすればいいか、様々なプログラム集を参考にしてもぴったりくることが少ない。また学校の校庭で1時間(45分)授業の生活科や総合学習の中で、身近な自然をどう観察するかなど先生方の悩みについてよく相談を受ける。
プログラムとは何か。一般的には式次第、進行表のようなものである。まずそこを理解し必要最低の一般的プログラムを知ることから始まる。開会、導入、活動説明、体験活動、集合、分かち合いの方法説明、分かち合い、まとめ、閉会という流れを考える。この中で玉入れを活動とすれば運動会のプログラムになるし、活動に指輪の交換や誓いの言葉を入れれば結婚式のプログラムになる。その活動に自然体験や環境教育の内容を入れれば自然体験型環境教育のプログラムとなる。
それでは、そのプログラムの中で、どのような自然体験や環境教育をするアクテビティをするかによって導入も決まってくる。一つの事例を紹介する。
・開会でゲストティチャーの自己紹介やこれから授業が始まる。日直の児童から挨拶をする。
・導入でタイトル「光合成と自然の大切さ探し」を告げ、光合成は太陽の光を受けCO₂を吸収しO₂を出すこと、太陽の光、水、土、空気があれば自分で養分を作り出せること、他の動物は植物の養分をとらないと自分では作れないことを紙芝居などにして伝える。
・活動説明として、ワークシートを使って光合成と植物の大切さを探す。その方法を伝える。活動範囲や注意事項を知らせる。
・活動 子ども達が身近にある校庭で探しワークシートを完成させる。ワークシートには植物が育つ様子や生き物が食べているところを探してもらう。
・集合をかける。
・分かち合いの方法を説明する。班ごとに出てきてワークシートを発表する。
・まとめとして植物は生きるために大切なものであり、特に人間にとっては、野菜はその典型であること、だから給食を残さないように行動提起やこの自然を大切にするために子ども達のとる態度を啓発する。
・閉会では、お礼を述べ合い、終了する。
子ども達は感想を次の授業時間に書く。
この中で最も難しいことは、どのように体験、探させるかである。ワークシートの作り方が最も知恵を絞るところである。しかし初歩的なものならタイトルを「季節を探そう」とし、その季節らしいものを探させれば比較的簡単である。
これらのプログラムは、実際に学校で行われており小学1年から中学3年まで統一プログラムを1学区単位で年間3回行いプログラム集は50以上のプログラムを作成している。年間15校、1000人を超える子供たちに60回程度行っている。国産のオリジナルプログラムである。

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発表内容

フィールドにマッチした自然体験型環境教育プログラム作り
学校の校庭にある身近な自然を対象にして。

一般社団法人インタープリテーションネットワークジャパン教育研究所
総括研究員 本多 孝
ホームページ http://ipnet-j.com

自然体験を行うに際し学校側の問題点
学年担任間の合意形成が難しい。
遠方に出かけるのに時間割の変更が難しい。
人員(付き添い)の確保が難しい。
交通手段の段取りなど多忙の中で準備の時間確保が難しい。
自然のことがわからないから敬遠しがち。
積極的になれない。

実施のための提案
1時間(45分)の範囲で行える。
通常の授業範囲で行える。
遠くへ出かけなくても身近な校庭の自然を利用できる。
体育で運動場に出る感覚で行える。
準備や時間割変更、人員確保の心配がない。
上記によって 気軽に行える。
そのための対策
時間的対策
プログラムにより時間管理を行う。
1時間(45分)で行える自然体験と環境教育について考案する。
環境的対策
学校にある自然を対象とする。

環境教育の2つのタイプ
啓発型
「素晴らしい自然だから大切にしよう」と啓発するもの
思考型
「体験したから、どうしたら環境が守られるか 自分にできることを考えてみる」という思考型
条件にあった体験プログラムを考える。
時間的制約(45分以内)
環境的制約(校庭の植え込みや草地などの 身近な自然)
上記を考慮しプログラムを作成する。
そのコツや作りやすさがあればフィールドにマッチしたプログラムが作成できる。

プログラム作りの基本
分厚い冊子にまとめられた既存のプログラム集や外国からのプログラム集では、なかなかその自然に合ったプログラムが見つからないという経験がある。
自分でその場に合ったプログラムが作れたら時間的制約や環境的制約があっても自然体験が行える。
環境教育として時間的制約から啓発型として行っている。

一般的にプログラムとは何か
イベントの流れを表したものである。
たとえば
開会
導入
活動説明
体験活動
分かち合いの仕方の説明
分かち合い
まとめ
閉会
基本的プログラムの流れを知ることが大切である。

そのプログラムでどんな目的(啓発内容)のためにどういうアクテビティをするか
プログラムの進行がわかれば、時間配分も しやすくなり時間的制約をクリアーできる。
また挨拶や閉会などは、簡単な自己紹介や 「おわります、ありがとう」で済んでしまう。
導入もこのプログラムで今日は何をするかを明確にするだけで事足りる。タイトルの紹介など
まとめは啓発型としたことで、この自然の体験から自然と友達になろう、大切にしよう、と自分の伝えたいことを持っておくとまとめもできてしまう。
分かち合いは定式化している。見つけたものを班ごとにみんなに見せて感想を聞く。毎回同じ分かち合いの 方法を行っている。
分かち合いの方法が明らかになれば分かち合いの説明も定式化される。「班単位で、前に出てみんなに見せて一言感想を述べる。聞いている人は拍手する」という 具合である。
これらプログラムの基本がわかると考えなければならないのは、体験活動の内容だけである。活動説明は内容が決まれば自動的に解決する。タイトルも決まれば導入もそれで完成する。
そうするとプログラムの何に力を入れればいいかが明確になる。

体験活動の中身に集中して考えればよい。
盲目にプログラムを考えるのではなくプログラムとその一つ一つの項目の意味を知れば、体験の 中身だけですべてが解決する。

体験活動プログラムで啓発する目的は何か
まとめで啓発型の環境教育として考えられることとして
自然を大切にしよう
生き物と友達になろう
同じ地球で生きている仲間だと知ろう
命の大切さを知ろう
自然に興味を持とう  etc.・・・・

まとめてみると
1.プログラムの基本を知る
2.何を重点に考えれば良いかを心得る。
3.伝えたいこと(啓発内容)をしっかり持つ