15/01/31環境教育は成果をあげたか?ESD研修会から

ipnetj   2015/02/01   15/01/31環境教育は成果をあげたか?ESD研修会から はコメントを受け付けていません。

環境教育は成果をあげたか?DSCN9521ss

環境省主催のESD研修会に参加してきました。今回70名程の参加のうち教員をはじめとした教育関係者が半分、企業やNPOなどの民間が半分という構成でした。
「環境教育は成果を上げたのか?」という研修会講師からの問いかけありました。
体験はしたけれども、経験を高めることができていない、学んだけれど行動に変容しないということが挙げられていました。
私も経験がありますが、一般的に自然体験や観察会を行ってもさほど効果を上げないということがあります。逆に自然オタクを作ったり、趣味になることもあります。
目的意識がはっきりしている場合もありました。この豊かな自然のところにダムができる。その自然はと、観察会や体験をすると確かに参加者は行動を起こしてくれます。署名を集めてくれたりカンパしてくれたりと。しかしその場合の多くは政治的な反体制運動に利用されてしまうことがあり、こちらとしては距離を置きながらの独自活動になってしまいます。

今回学校で行う環境教育の年間指導計画(カレンダー)を作るために実際に参加された先生の学校のカリキュラムを事例に議論しました。

体験はしたけれど

確かに1年間通じ体験はかなりされています。田植え、稲刈り、里山調べ、野外活動、ゴミの分別・・・。しかし、その体験から、「建設的に考え改善する力」を育てるカリキュラムはかなり少ない状況です。まして「行動する力」もすでに既定路線として空き缶を集め、それを売り、そのお金で貧しい国の子供たちにランドセルを送る。しかしこれも子供たちが考えたことではなく、毎年のお決まり行事のようです。また学校の事情から、校外の自然環境に連れ出す体制や時間が取れなかったり、他の取り組みである英語学習などで思い切った時間を割けないという事情も出されました。
実際学校は、様々な問題を抱えその時間をこなすのが精いっぱいでした。この研修に来られている先生は、環境教育にまだ熱心な方々ばかりでしたが精いっぱいの様子がうかがえ苦労されているようでした。

DSCN9530ss環境教育以外のアプローチも大切

私たちも体験を中心に学校で子ども達に環境教育を取組んでいますが、時間的場所的な制約の中で限界を感じています。ただ体験だけでは行動に結びつかないという問題意識は20数年前から持っており、その問題を含めた環境教育でないと行動の変化まで至らないと考えていました。確かに1回やれば子供たちが変わるということはありませんが長い時間がかかるが確実に変えることはできると思っています。
スクールインタープリターのプログラムの特徴は一見普通の自然体験に見えますが、子ども達を伸ばすこと、思考力、表現力を駆使する場面を含むこと、コミュニケーションを持つこと、そして子供たちが自尊心を失っている状況が多々見られる中で自信をつけるという内容を合わせて織り込んだオリジナルのプログラムになっています。
要するに環境教育だけやっていればいいというものではないということから、行動に結び付けるアプローチを別の教育的方法で取り入れているのです。
子ども達の中には、環境問題に限らず「どうせ僕なんか何をしても一緒」と自尊心がなかったら、環境教育はいきてきません。
環境教育を確実に行動する人づくりにつなげるためには、さらに別のアプローチが必要であることは言うまでもありません。そしてその方法も多様であろう。しかしまだまだその多様性を見出していないのが現状と思います。

学校での環境教育指導者は、市民ボランティアであっても教育者の自覚を

環境教育は人が人に対して行うものであり、指導者の持つ資質の一つに、子ども達を伸ばして行ける教育者としての自覚も必要だと思います。
環境教育指導者の多くが、市民ボランティアです。だからといって教育者の自覚がなくてもいいとは言えないでしょう。子ども達にとってはいい教育者がその子の人生を左右することすらあります。環境教育も同じではないだろうか。

今後体験から行動に結びついていくアプローチが様々に開発されることを期待しています。
私たちの持つアプローチもさらに深めていきたいと考えています。