14/08/02日本環境教育学会大会in法政大学での発表

ipnetj   2014/08/08   14/08/02日本環境教育学会大会in法政大学での発表 はコメントを受け付けていません。

2014年度日本環境教育学会in法政大学で、「環境教育指導者に求められる身近な自然の大切さの普及根拠をシカの食層解析から考察する」について、研究発表いたしました。
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環境教育指導者に求められる身近な自然の大切さの普及根拠をシカの食層解析から考察する。

○本多  孝 (一般社団法人IPNET-Jイプネット・ジャパン教育研究所)

キーワード:スクールインタープリター、自然体験型環境教育、小学校ゲストティーチャー、生活科・総合学習、身近な自然

自然体験や観察会での環境教育に際し、取り扱う自然が貴重なものでなく身近な自然を観察したり、体験することが大切といわれてきた。その大切さを科学的に解析し根拠づけの一つとして環境教育指導者が普及に努める一助にしていただくことを目的とした。
この解析には、国内でも広く分布し大型の哺乳類でしかも調査しやすい確実性のあるシカを対象とし、シカの1年間の食性行動を解析することを試みた。そのために哺乳類の専門家、植物の専門家の同時協力を得て、春、夏、秋、冬の4シーズンを各2~3日間かけて調査範囲全域を調査した。
そのデータを、季節ごとに食性行動を整理し状況を把握し解析を行った。
調査範囲は、箕面市北部止々呂美地区とした。調査地域内の全植物種を把握する。ニホンジカの食痕を調査。尚、採餌植物のリストアップに関しては、食痕の新しいものとし、食べられてはいるが食痕が古いものに関しては参考に止め、季節ごとの採餌植物種としてまとめた。ノウサギ(Lepus brachyurus)の採餌の可能性があるものは積極的に除外した。
調査実施時期
秋期 2001年11月 17日~18日
冬期 2002年 2月 9日~11日
春期 2002年 5月 3日~ 5日
夏期 2002年 7月 6日~ 7日
調査の結果
調査対象地域から得られた植物種は、121科587種。生息が確認された植物種全体に対する採餌植物は、67科201種を確認。34パーセントの植物が採餌対象植物であった。
採餌植物の季節変動
春期 100種、夏期 111種、秋期 111種、冬期 29種
ニホンジカ個体群への影響は、特に冬の時期に最も採餌の種類が少なくなると共にその面的量においても少なくなる。言い換えると冬場の食性行動は限られシカにとっては困難な生活環境といえる。
環境倫理では、生物間倫理として、環境はすべての生き物にとってのものであり、地域間倫理、世代間倫理に示される人のためだけのものではない。すべての生き物ではないがシカという生き物がその環境をどのように利用し生きているかを見ることにより、それらの動物が特別な貴重種ではなく一般的な植物を必要としていることがうかがえる。よってシカを通じて身近な自然が彼らの生活を賄う環境として重要であることからも身近な自然の大切さを人も知り、また環境教育指導者が普及していくことが大切と推察できる。